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シノダダンススクール


第8回・フォックストロット

  第8回 (2001.12.12.)


 早いもので、このサイバーダンスも、1年経過してしまいました。

最初は、毎月掲載する積りでしたが、

いろいろと事情があり遅れてしまい申し訳ございません。



 さて、今月から、最も重要である「フォックストロット」に入りましょう。

日本では、スロー・フォックストロットを習うのは、

一番終わりになる人が多い様ですが、出来ればもっと早く教わることが、

モダン種目の動きを身に付ける上からも重要であると思います。


 以前、私たちがロンドンに留学している時、あるスクールのクラスレッスンで

フォックストロットを教えるところを拝見させて頂くことが出来ました。

クラスは本当に初心者ばかりで、

無論、タンゴやルンバも未だ習っていないクラスでした。

先生は、女性の生徒さんに

「5歩退って、右足のヒールに左足のヒールをつけて開き、次いで右足を前進」

と教えているのです。

ヒールターンなど無理に教えず、滑らかなムーブメントで動き続けることを主として、

生徒さん達に練習させていたのです。


 私はそれを見て、私たち(雅子と)が初めてアマチュアの全日本選手権に

出場した時のことを思い出しました。

それは、私が未だ学生の頃、浅草の墨田公園内にある台東体育館でした。

ダンスを始めてタッタ半年、初めて競技会に出場した雅子は、

フォックストロットを踊ったことが無かったのです。

競技会の直前に、「5歩後退したら足を揃えてヒールターン」と教えて、

後は簡単なステップだけで、何と決勝まで進んでしまったのです。

さすがに決勝戦では一番ビリでしたが、

その成績が後にプロに転向する決意をさせたのでした。


 英国では、モダン種目で最後に教えるのは「タンゴ」と言われている様に、

特殊な動き(CBMPやサイドリード)でムーブメントが切れる踊りよりも

滑らかな動きの基となるフォックストロットを先に教えるのです。


 日本でもジュニアや競技志向の若い人たちには、

出来るだけ早くフォックストロットを教える様にしたいものです。



 前置きが長くなりました。レッスンに入りましょう。

このレッスンは、フォックストロットを踊れる方を対象に進めてまいります。

フォックストロットは、流れる様な、大きなムーブメントが命です。

よく引き合いに出すのに、大河の流れがありますが、

そのイメージを持って踊って下さい。


 最も多い欠点は、音(リズム)を正確に取れないことでありましょう。

かなり経験を積んだ人でも、S.Q.Q.のリズムが甘くなって、

中には1.2.3.とワルツを踊っているのかと思う人もいるほどです。

その原因は、踊り方の基本を知らない事でありましょう。



1.ライズ&フォールの相違点 … アップで高くならない。


  ワルツの時にも説明しましたが、

  ワルツとフォックストロットのライズは異なります。

  ワルツの通常のライズ&フォールは、

  1の終わりにライズを始めて、

  2と3はライズを継続し、

  3の終わりにロアー。

  に対して、

  フォックストロットのノーマルなライズ&フォールは、

  1の終わりにライズ、

  2と3はアップ、

  3の終わりにロアーです。

  ここで言葉の定義になりますが、アップとは高さではなく、

  その前のステップで上がった状態と同じ高さを維持することです。

  即ち、1の終わりでライズした高さで2歩進行することです。

  ワルツもフォックストロットも1の終わりの高さは殆ど同じ位ですから、

  当然2と3で継続して上昇して行くワルツの方が高くなります。

  この事によってコントロールよく足が揃うのです。

  多くの方が、ライズよりもアップの方が高くなるのだと誤解していますが、

  フォックストロットでライズを継続してしまうと

  滑らかなムーブメントで踊れなくなってしまいます。



2.体重移動の仕方を理解する … 「スロー・アンド」のリズム


  これはワルツでも同じですが、正しい体重移動が出来ないと、

  足と体がスイング出来ない為に大きく、滑らかに踊れなくなってしまいます。

  例えば、フェザーステップで説明しますと…

  男性、左足の膝と足首を充分に使ってロアーして右足が前進し始めます。

  これは前のビートで動き始めます。

  即ち、前のフィガ−に続けて踊るのであれば、第2Qの終わりでロアーをするのです。

  左足のロアーによって前進し始めた右足は、

  左足で送ることによって更に前へと進みます。

  最初に足のボールで床をスキム(軽く床を滑ってゆく)しながら前進した右足は、

  床につく寸前に伸ばしていた足首を軽く曲げてヒールからタッチします。

  これはボールを投げる時に手首のスナップを利かせるようなイメージ

  と申し上げましょうか。

  足首を柔らかく使うことが大切です。

  ここまでが、スローです。

  左足は未だ後ろにあるまま、右足に体重を移行してゆきます。

  この動作が出来ると、スローの後半の「アンド」がとれるのです。

  もう少し細かく説明すると、足首を柔らかく使って床にタッチした右足は、

  直ぐに膝が前に曲がり、体重が移行し易くなります。

  後ろにある左足は体重が移行するにつれて少し前に移動しますが

  未だ後ろに残っていることが大切です。

  但し、無理に後ろに残すと動きにブレーキがかかります。

  左膝は僅かにゆるみ、後ろの人に足の裏を少し見せる様な気持ちです。

  ここまでがスロー・アンドです。

  これが出来れば、フォックストロットのリズムは80%くらい出来たと云えましょう。

  このときに上体は右足の上に真っ直ぐ、確実に乗っていなければなりません。

  感覚としては、弓を大きく引き絞った感じと云えましょう。

  次に後ろにある左足を前に大きく振り出すことによって

  足と左サイドが前にスイングしてゆくのです。

  当然、体にバネのある人は大きなスイングが出来ることになりますし、

  背筋を使って踊らなくては大きなスイングは生まれてきません。



3.スイングとは … レッグスイングとボディスイング


  右足の上に乗っている時に、左足は後ろから大きく前に振り出されます。

  スイングとは何なのでしょうか?

  英国ではブランコのことをスイングと云うそうです。

  ブランコは止まっている所からは動きません。

  誰かが後ろに引いてあげるか、自分で少しづつ漕いで大きく動かすしかありません。

  つまり、右足に左足を近づけると大きくスイングすることは出来ないのです。

  しかし、あまりに左足を後ろに残そうとし過ぎると、前に振れないで、

  足を前に出すことになってしまいます。

  サッカーでボールを遠くに蹴るには、片方の足で立っている時に、

  反対の足を大きく振ることによって強いボールが飛びます。

  これは野球でもゴルフでも同じです。

  ダンスでは、球はありませんが、足を大きくスイングさせることによって、

  その足と同じ側のサイドが前にスイングされ、

  大きく滑らかな踊りが踊れる様になるのです。

  即ち、上級者ほど、如何に足をスイングさせて大きくボディを踊らせるか

  に最も集中しています。

  中級者であっても、足を振って踊ることを少しでも出来る様になると

  ダンスがもっと面白く、易しくなりますよ!

  さて、ダンスが簡単でないのは、振って終わりでは無いことです。

  リズム良く次のステップもスイングして踊らなくてはならないのですから大変です。

  右足で立って振った左足に引っ張られて左サイドは前に進みます。

  そして左足はトーから床にタッチします。

  これが第1Qです。

  左足のトー(と言っても高くならないで、ボールくらいの積りで良いでしょう)

  でしっかりと立って右足の足首を延ばしてトーで女性の外側に出します。

  これが第2Qです。

  右足に乗ったらば直ぐにロアーをします。

  その時に左足はもう前に進み始めているのです。

  この様に、常に前のステップの終わりでロアーしてから、

  次に来るステップのスローカウントの足が動き始める事が、

  最も重要なことを理解して下さい。



4.S.Q.Q.の3歩の使い方と認識 … 役割が違うことを理解する


  通常、フォックストロットのべーシック・フィガ−はS.Q.Q、

  又はS.とQ.が6っからなっています。

  スローカウントのステップと第1クイック、そして第2クイックの全てが

  違う使い方をしなければならない事を認識しなければ上達しません。

  私が教わった時に、スローカウントで足が前に出て行く時に

  「リーチ」(麻雀ではありません!手などを延ばす意味です)

  そして、スローの終わりに腰と上体が充分に乗る時に「ロールオン」、

  という大きな掛け声でレッスンをされていたのを思い出します。

  スローカウントのステップでは、

  体を突っ込んでしまっては絶対に良い踊りは踊れません。

  足を前に出さなければならないのです。

  これが出来ないと次の体重移動が出来ません。(これがリーチです)

  第1クイックでは、「スイング」、又は「スタンドフット」と云われました。

  つまり、足と体をスイングした後、しっかりと「立つ」ことが大切なのです。

  第2クイックは、「シェープ」又は「ロアー」でした。

  第1クイックでしっかりと立っている間に

  足を前または後ろにシェープ、形を作るのです。

  まるで足を、足の付け根ではなく、胃の辺りから開く様に背筋を使って開くのです。

  出した足首は柔らかく延ばすことは云うまでもありません。

  そして床にタッチしたならば、直ぐに次のステップの為にロアーするのです。



5.以上が出来る為の基本 … ポイスチャ−、ホールド、組み方など


  当然の事ながら、体重がスムーズに片足から片足に移行する為には、

  正しい立ち方やホールド、姿勢、コンタクトなど

  全ての基本が忠実に行われなくてはなりません。

  また、ロアーした時に互いの足の膝の位置なども理解しなくてはなりません。

  男性だけ出来ても、女性が出来なければ良いスイングは出来ませんし、

  反対の場合でも同様です。



今月は長くなりましたので、この位にしておきましょう。

暮れから正月が入りますので、新年早々には第9回のレッスンが掲載出来ると思います。

少し、くどくなったかもしれませんが、何度も読んで出来るだけ理解して下さい。

最も大切な所ですから。

 それでは、良いお年を…。

       (第8回 サイバー・ダンス・レッスン 終わり)

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